農本主義:資本主義の次にある持続可能なコミュニティ

社会は大きな転換点に立っていると僕はかんじています。皆さんはどう感じるでしょう。

どう変わっているかというと資本主義がもたらした、モノの豊かさが見直されていることです。

経済成長を中心にした結果、環境をこわし、貧富の差が広がり、昔ながらの小さなコミュニティがつぶれていきました。

お金によって世界を支配してきた人たちが、ヒトやモノを食いつぶしていくのが資本主義です。最初は植民地の人間だけだったのに、自国民からも搾取をはじめます。

モノの値段があがり、国民がモノを買えなくなり、モノが売れなくなって、お金のながれがとまるコトで資本主義は終わりをむかえます。

これ自体は今までも起きていたことで、そうすることで、さらにお金を儲けていたのですが、今度ばかりは問屋がおろしてくれなさそうです。

そんな生活をやめて人がしあわせに生きるのが「農本主義」じゃないかと思うわけです。

農本主義とは

農本主義は自然との調和を大事にした農的生きかたを大事にした社会づくりです。農本主義は社会のあり方を根本から見直す哲学ともいえるのです。

この考えは中国の儒教思想からきていて、日本では江戸時代に佐藤信淵(さとうのぶひろ:1769-1850)という思想家が広めたとされています。

なぜ農本主義なのか

  1. 持続可能な生活ができる
    資本主義はムゲンに成長することを前提としています。ですが、地球の資源には限りがあります。 農本主義は自然のサイクルに沿った持続可能な生産と消費を大事にします。壊れたら買いなおすといった大量生産と消費の繰りかえしをやめることができます。
  2. コミュニティの再生
    都市化によって失われつつある人々のつながりを、農業を通じて取りもどせます。日本ではお米を中心に共同作業や収穫祭などをすることで、コミュニティの絆を強めます。 金太郎飴のような町から、それぞれに特徴のある町にかわることも期待ができます。
  3. 食の安全と自給率向上
    輸入に依存しない食料生産は最強の国家防衛策ともいえます。地産地消をベースにすることで新鮮で安全な食材を手に入れることができます。さらに運送を減らすことで空気もキレイになります。
  4. 心身の健康増進
    農作業は自然にふれることができ、適度な運動にもなるのでストレス解消にもなります。さらに無農薬・無肥料の食材がメインになるので体にも優しいです。
  5. 上下の関係がなくなっていく
    コミュニティの意思決定は長老的存在の人がするのでしょうが、長老がピラミッドの頂点というわけじゃなく、みんな平等が基本のコミュニティになることも考えられます。ただ自分の意思をハッキリ表示することを求められます。

不便になることもありますが、時間も精神的にも余裕がある生活になるので自然と知恵をつかって助けあうことができるようにもなっていくはずです。

農本主義社会にうつるまで

とはいえ、そんな社会になってウレシイのは僕のような社会不適合者だけで、ほとんどの人はイヤになるはずです。

まあ、とはいえ時間が解決をしてくれることで農本主義をベースにした社会になるのは自然のながれになっていると僕は思っています。

そのためにどんなことを解決すればいいでしょう。

  1. 意識改革
    農業の価値を見直し、自分や家族の食べモノは自分でつくってまかなうという意識にかわる必要があります。 そのために食育を地域やコミュニティでやっていき、食や環境について関心を高めることです。
  2. 教育システムの変革
    いままでの社会は学校教育がつくったものでもあります。小さなころからサラリーマンのような生きかたを教育され、権力に従順なドレイのように人を育てていたのが学校の教育です。
    その教育をかえ知育重視から知育・体育・食育のバランスがとれた教育にかえます。
    社会の基本を知らない人が教師になるというシステムをこわし農業体験やディベートを授業に取りいれます。
    ディベートのファシリテーターがいまの教師という役割をして、科目はそれぞれのスペシャリスト、もしくはAIにまかせます。
  3. 都市計画の見直し
    金太郎飴のような町づくりにNoをつきつけ、オリジナリティと地域コミュニティが活性するシステムを大事にします。
    経済が発展するかより、環境を大事に循環する仕組みかを重視して、みんなで町をつくっていきます。
  4. 経済システムの再構築
    地域通貨を基本にして、それぞれの地域通貨がイコールになるシステムにかえていきます。中央集権じゃなく分散型の経済システムをつくっていき、取引きを個人同士でやれるようにします。 中抜きチューチューをしない、させない、持ちこまない町にしていくことです。
  5. 政策支援
    日土水むらですすめている「百姓天下米」のような仕組みを町全体で応援していくようにします。さらに都市から農村への移住をしやすくし、農業にもかかわりやすくする仕組みをつくることです。
  6. 技術革新との融合
    僕は「ハイブリッドな縄文時代の再現」と呼んでいますが、環境に配慮した新たな農業技術の開発や支援をしていきます。
    文明によって生活は便利になりました。ですが「トイレに必要なのは勝手にズボンをおろしてくれる機能くらい」と髙坂勝さんというかたが言っていますが、必要十分以上に便利になっています。
    ほどほどに便利でラクな生活をとりもどすために文明のチカラと昔の知恵を融合させるときじゃないでしょうか。

ようするにいまの政治屋と天下りラブな官僚が全力でイヤがることを、国民でやるよう意識をかえていく仕組みを考えることです。

オレの天下り先がなくなるニダー!

理想はつくっていくのじゃなく、気がつけばできていたという状態にもっていくことです。

まずは小さな一歩から

農本主義は、すぐに実現できません。でも実現可能だと僕は考えています。

そのために一人一人が小さな一歩を踏みだすことじゃないでしょうか。一人のチカラはたいしたモノじゃないですが集まったらすんごいエネルギーになります。

いままでは、その一歩が踏みだせない環境で、そのなかで苦しんでいる人もいたはずです。

家庭菜園をはじめたり、地元の農産物やオーガニックのモノを買ったり、農業体験イベントに参加したり、自分がやってみたい、これならできると思うことをやってみましょう。

それが新しい社会の種をまいていくことになり、次の世代がしあわせに生きられる社会になります。

資本主義から農本主義にかえるというのは、僕たちの生きかたを見つめ直す大きな挑戦です。

この挑戦が持続可能で、ホントに豊かな社会と未来をつくっていくんじゃないかと僕は考えています。あなたはどんなことを考えていますか。

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